高齢者介護のあれこれ

介護相談員の在宅介護ガイド

老人ホーム紹介センターの仕組みと利用するときの注意点

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1.老人ホームを斡旋(あっせん)する業者がある

毎年のお盆休みやお正月後は家族が集まる機会も増え、在宅生活に不安を覚える高齢者の老人ホーム入居を検討する方も急激に増えます。高齢者の家族は、ネットで情報を調べたり、電話窓口に相談したり、施設に直接行って見学したりと、高齢の家族に合う老人ホームを探すことになります。その時に遭遇しやすいのが『老人ホーム紹介センター』です。

 

老人ホーム紹介センターは、老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの紹介を行う専門業者です。紹介するものが老人ホームを中心とした高齢者の住まいであるだけで、不動産屋が賃貸物件を紹介するようなものです。老人ホーム紹介業者は病院や地域の包括支援センター、区役所などへの営業や、新聞チラシやインターネットサイト、施設入居の相談所を利用して施設入居検討者からの相談を受け付け、入居が決まるまで様々な会社の介護施設や高齢者向け住宅を紹介します。介護施設について調べるのは、ほとんどの方が初めてなので、豊富な情報をもって対面で相談に応じてくれる老人ホーム紹介センターは非常に役立ちます。

 

2.老人ホーム紹介センターにいくら金を払うの?

老人ホーム紹介センターを利用して介護施設や高齢者向け住宅に入居しても仲介手数料は払いません。紹介センターは入居者を紹介することで施設運営事業者から紹介手数料をもらいます。そのために入居検討者は完全無料で紹介センターを利用することができます。

 

紹介センターが施設運営事業者からもらう紹介手数料は、以下の通り。

 【紹介手数料の例(個別の契約によります)】

サービス付き高齢者向け住宅   :3万円~10万円
老人ホーム(入居金なし)    :5万円~30万円
老人ホーム(入居金あり)    :10万円~30万円
老人ホーム(入居金1000万円以上):入居金の3%

 

紹介センターは老人ホーム入居者の成約で、平均して20~30万円をもらっています。また、高級老人ホームの場合は1名の成約で100万円の紹介手数料をもらう場合もあります。たまたま施設の退去者(入院や逝去)が複数発生して空き部屋が増えたときや、施設の老朽化などの問題で入居者募集が滞っている施設では1名の成約で本来は20~30万円の仲介手数料のところを50万円~80万円もらうこともあります。高い人件費を払っている施設は、高い手数料を払ってでも空室を埋めた方が得だからです。

 

介護施設への入居は賃貸住宅のように頻繁に紹介できるものではありませんが、これだけの紹介手数料がもらえるので紹介センターを利用しても入居検討者は費用を払わなくて良いのです。

 

「紹介センターを利用すると施設の入居金が上がったりしないの?」と心配される方もいますが、これに関しても心配はございません。紹介センターを利用すると施設は紹介料の負担がかかりますが、本来老人ホームの入居者を集めるために費用をかけているので紹介センターを利用したからといって入居費用が上がることはありません。業界の専門家としても聞いたこともありません。

 

3.紹介センター利用のときには悪徳業者に気をつけましょう

紹介センターは、老人ホームの運営会社と個別に斡旋(あっせん)契約を結びます。「紹介センターが入居検討者を紹介して成約した場合、〇〇円を払う」といった契約です。この契約がないと紹介手数料をもらえないので、大きな紹介センター数百枚の契約書を交わしています。

紹介センターは基本的に入居検討者の予算や身体状況など様々な条件に沿った老人ホームを提案します。しかし時には最適な施設を紹介しないことがあります。その理由は以下の2つです。

 

①入居検討者に最適な施設と紹介センターの間に斡旋契約がない時

規模が小さければ小さい紹介センターであるほど、入居者を紹介して仲介料をもらえる介護施設の数が少ないです。そのために入居検討者に適した介護施設はAなのに、金になるB施設に紹介してしまうことがあります。

斡旋契約がない介護施設には「入居検討者1名いるから~契約させてください!」と新規で契約することもありますが、施設運営会社側でなんらかの理由で新規の紹介センターと契約を結びたがらないこともあります。そのために結局、入居者に合わない施設への入居を誘導されてしまうことがあります。

 

②入居検討者に最適な施設の紹介手数料が少ない時

これは本当によくあること。介護施設ごとに入居検討者の成約でもらえる仲介手数料が大きく差が出るので、より高い仲介手数料を払う介護施設に誘導されることがあります。介護施設では、たまたま入院や逝去などによる退去が重なって空室が目立ったときに仲介手数料を一時的に増額することもあります。そのために一律に「仲介手数料が高い施設は問題がある施設」というわけではありません。しかし紹介センターが仲介手数料を基準に入居先を押し売りすると結果的には入居者に合わない施設への誘導になってしまいます。

 

4.人のやさしさに漬け込む押し売りには注意!

老人ホームの紹介センターは基本的に相談者に料金をもらいません。そのために優しい心の相談者は「申し訳ない」気持ちが生まれることも多いです。悪い紹介センターは、高齢者家族と自分の情報量の格差を利用して紹介センターの都合の良い施設へ入居を誘導したり、相談者の優しい心を逆手にとって仲介手数料が高い施設を押し売りしたりすることがあります。

 

良い紹介センターは、入居検討者本人のお気持ちを家族以上に汲み取って理解し、家族の不安を先々まで読んで最適な介護施設を考え、提案する紹介センターです。老人ホームは人生最後の大きな買い物であり、老人ホーム探しは家族みんなの安定した生活と幸せにつながる大切な選択です。なにとぞ自己中心的に、うまく紹介センターをご活用されますようお勧めします。