高齢者介護のあれこれ

介護相談員の在宅介護ガイド

介護保険利用のための『要介護認定の判定基準』について

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1.要介護認定の流れ

 

日本の高齢者率は平成28年で約27.3%、国民の4人の一人が高齢者です。この高齢者の600万人が要介護認定を受けていて、日々の生活に介護保険を上手に利用しています。介護保険は医療保険と同様に介護サービスを利用するときに使うことができますが、介護保険を使うには要介護認定を受ける必要があります

 

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介護保険の利用申請のための要介護認定は、住まいの市区町村の窓口に行います。役所から派遣される介護認定調査委員(地域のケアマネージャーが代行していることが多いです)が自宅に訪問して、普段の生活にどれだけ人の介助が必要な状態か確認します。基本的には、外出や買い物、トイレやお風呂などの日常的な生活動作が一人でできるか、ヒアリングを行います。

 

同時に、高齢者本人の身体状況や精神状況に関する医師の意見書を提出し、医師や看護職員、福祉関係者などによる「介護保険認定調査会」が開かれ、対象者の介護度を判定します。

 

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無事、介護認定が下りると担当のケアマネージャーとの相談の上、どのような介護サービスをお願いするか「ケアプランを」組みます。このケアプランに沿って介護スタッフに訪問してもらったり、デイサービスを利用したり、福祉用具をレンタルしたりと、介護サービスの利用が始まります。もちろん、老人ホームやグループホームに入居するときも介護サービスは介護保険が利用されます。

 

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2.介護認定の身体と精神状態の基準について

 

介護認定は3年(36か月)を上限に更新期間がありますが、更新までは決定した介護度によって利用できる介護サービスの量が変わってきます。要介護1の場合は月に約16万円分の介護サービスが利用でき、要介護5では月に約36万円分の介護サービスが利用できます。また、利用者は支払い能力(年間の収入による基準)によって、利用した介護サービス費の1割から3割を自己負担金として支払います。その介護度の審査基準について見てみましょう。

 

【自立】

歩行や起き上がりなどの日常生活の基準動作を自分で行うことができる状態。薬を決まった時間に飲んでいて、電話の受け答えができるなどの、日常生活を営む能力に問題がない状態。

 

【要支援1】

要介護認定基準による、介護サービスの必要時間が1日に25分以上、32分未満の状態、またはこれに相当すると認められる状況。

 

※具体的な基準例

日常生活の能力は基本的にあるが、入浴などに一部の介助(見守り・手助け・付き添い等)が必要な状態。介護予防サービスにより生活機能が維持または改善する可能性が高い状態。

 

【要支援2】

一時的な健康上の理由で要支援状態が続くと考えられる間に対して、介護サービスが身体状況の悪化防止につながると認められた状態。また、介護サービスの必要時間が1日に32分以上、50分未満、またはこれに相当すると認められる状況。

 

※具体的な基準例

食事や排せつはほとんど自分でできるが、時々介助が必要な場合がある状態。立ち上がりなどに不安定さがみられることが多い。重い認知症などもなく心身状態が安定していて、適切な介護サービスの利用によって心身の状態が維持または改善できる可能性がある状態。

 

【要介護1】

介護サービスの必要時間が1日に32分以上、50分未満、またはこれに相当すると認められる状況。またはこれに相当すると認められる状況。

 

※具体的な基準例

食事や排せつはほとんど自分でできるが、時々介助が必要な場合がある状態。立ち上がりなどに不安定さがみられることが多い。心身の状態が安定していないか、認知症などによって部分的な介護を必要としている状態。

 

【要介護2】

介護サービスの必要時間が1日に50分以上、70分未満、またはこれに相当すると認められる状況。またはこれに相当すると認められる状況。

 

※具体的な基準例

食事や排せつに介助が必要なことがあって身の回りの世話全般に介助が必要な状態。立ち上がりや歩行に支えが必要な状態。

 

【要介護3】

介護サービスの必要時間が1日に70分以上、90分未満、またはこれに相当すると認められる状況。またはこれに相当すると認められる状況。

 

※具体的な基準例

排せつや身の回りの世話、立ち上がりなどが一人でできない状態。歩行もひとりではできないことがある状態。

 

【要介護4】

介護サービスの必要時間が1日に90分以上、110分未満、またはこれに相当すると認められる状況。またはこれに相当すると認められる状況。

 

※具体的な基準例

排せつや身の回りの世話、立ち上がりなどがほとんど一人でできない状態。歩行も自分ではできない状態。認知機能の低下によって日常的な生活に対する理解が低下し、徘徊や暴力的行動などの問題行動を引き起こしている状態。

 

【要介護5】

介護サービスの必要時間が1日に110分以上である状態。またはこれに相当すると認められる状況。またはこれに相当すると認められる状況。

 

※具体的な基準例

排せつや身の回りの世話、立ち上がりや歩行などがほとんど人の介助があってもほとんどできない状態。認知機能の低下によって日常的な生活に対する理解が低下し、徘徊や暴力的行動などの問題行動を引き起こしている状態。

 

3.少し疲れたと思ったら介護保険の利用を検討しましょう。

 

在宅で介護をしている家族の方は「介護が大変!」とはなかなか言いません。おそらく毎日やらなければならないものだから、大変だと思ってしまうと本当に大変で耐えられなくなるからかもしれません。それは自分でもすぐに気づけない場合も多いために「少し疲れた、すごく面倒だ」と思ったら危ないと思って役所に相談しましょう。在宅介護を続ける以上、介護の負担が完全に消えることはありませんが、介護をする人も高齢者本人もホッと一息つきながら頑張れるゆとりが生まれます。頑張りすぎず、頼りましょう。