高齢者介護のあれこれ

介護相談員の在宅介護ガイド

高齢者の食費を行政が補助する『援助型配食サービス』について

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1.自炊できなくなる高齢者と、ヘルパー利用の限界

 

超高齢化社会の日本、全国民の4人に1人以上が高齢者です。また同時に、日本の高齢者単身世帯や高齢者夫婦世帯が年々増加する一方です。そのために高齢者の身体能力の低下に伴った家事と炊事の負担は見えないところで大きな社会問題になってきています。家事や炊事ができなくなったことから人間らしい衣食住を営めなくなり、低栄養状態をはじめとする健康問題を引き起こしています。

 

特に今まで家事や炊事を奥さんに頼っていた男性の独居高齢者は、火や包丁を使う炊事がまったくできないこともあって驚くことにスーパーの菓子パンで延命することも珍しくありません。また、認知症を患っている高齢世帯では家事や炊事のやり方を忘れてしまうこともあるので、常にヘルパーなどのサポートを必要とします。

 

しかし、ヘルパーの訪問は、介護保険の利用限度額や自己負担金の兼ね合いで、毎日来てもらえない方も多く、1回の訪問時間は20分~30分程度です。そして毎回の介護保険改定では、介護保険を利用した家事や炊事などの生活支援サービスは上限時間が短くなってきています。結局、ヘルパーによる生活支援サービスの時間は、スーパーに食料の買い物に付き添うだけで終わってしまうこともあります。そのために、毎日欠かせない食事の準備をヘルパーで全て賄うことは難しいのが現状です。

 

2.高齢者向けの配食弁当サービスがある

 

自らは毎食バランスのよい食事が容易できない高齢者のために、様々な配食弁当サービスがでてきています。中には毎日3食のチルド弁当を届けてくれる会社もあれば、いつでも電子レンジで温めて食べられる冷凍弁当を届けてくれる会社もあります。その数社を簡単に紹介します。

 

〇ワタミの宅食(http://www.watami-takushoku.co.jp/

居酒屋の和民で有名なワタミが運営する配食弁当会社。毎日おいしいチルド食を届けます。

価格は、日替わり5日間コース(月~金)で3,200円(1食あたり640円)くらい。

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〇ミールタイム(http://www.mealtime.jp/

管理栄養士による栄養相談の上、いつでも温めて食べられる冷凍弁当を届けます。いつもチルド弁当が残ってしまって捨てていたり、炊事と並行して弁当を利用したい方にはお勧めです。

 

価格は、糖尿病性腎症の方向けごはん付き10食セットで6,260円(1食あたり626円)くらい。

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〇まごころ弁当(http://magokoro-bento.com/

全国に店舗数が最も多い配食弁当の会社。やわらかい料理やムース食などの介護食弁当まで対応しています。

 

価格は、1食約330円~1000円まで様々。

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3.配食弁当の費用を補助する行政サービスがある

 

1日3食の配食弁当は経済的負担が重いものです。1食が650円だと想定しても1日3食で1950円、1か月(30日換算)だと5万8500円もの金がかかります。収入の少ない高齢者にはかなりの負担です。

 

ここれ嬉しい情報があります。各市区町村では高齢者のための配食弁当の費用を一部負担してくれる行政サービス(生活援助型配食サービス)があります。住まいの市区町村が選んだ配食弁当の事業者が、高齢者の状況に応じて週1日から7日(祝休日含む)まで、朝食、昼食及び夕食を自宅まで配達するとともに、安否確認を行うサービスです。なお、こちらは市区町村で行っているものなので、地域によってサービスの内容は異なります

 

【一般的な配食弁当費用補助の対象者の要件】

・要支援や要介護の認定を受けている方

・介護予防・生活支援サービス事業対象者

・身体機能の低下などの理由で自ら調理できない

・世帯内に炊事を行う方がいない

・低栄養の改善や見守りが必要

 

▲このような要件を全て満たすことが必要です。

 

【1食あたりの利用者自己負担額例】

朝食:200円

昼食:350円

夕食:350円

 

1食800円程度の介護食弁当を500円程度にするなど、料金は地域によって異なります。

 

▲必ず3食お願いしなければならないことではありません。

 

 

以上の対象要件は、あくまでも一部の地域の基準要件で、地域ごとにサービス内容には差があります。なお、配食弁当の費用補助を利用するときには配食サービスをケアプランに位置づける必要があるので、事前にケアマネージャーに相談する必要があります。

 

4.まずは役所で相談しましょう。

 

お住いの地域に「生活援助型配食サービス」があるか、ご自分が対象になるのか、ケアマネージャーを通して役所や地域のあんしんすこやかセンターなどに相談しましょう。地域には健やかで安心な生活をサポートする行政サービスと専門家がいるので、上手に頼っていきましょう。